自然の中で逞しく生き抜く力、CENTURIO®︎ POWER LAND (ケンチュリオパワーランド)

2022.6.16

orange

orange

「森林セラピーロード」美杉地区日神西浦コースの出発点にあるゲストハウス、CENTURIO®︎ POWER LAND (ケンチュリオパワーランド)。
オーナーの川瀬景子さんは、5年前に京都から美杉町へ移住。京都の金融機関で営業や事務をしていた川瀬さんは、退職後は畑をしたいと農業のできる移住先を探していた。空き家を探し始めて半年、美杉町太郎生にある空き家に出会い、59歳で定年退職を決断。退職した翌月には、この地に引っ越していたというフットワークの軽い川瀬さん。京都の友達が泊まりに来た際、ゲストハウスをやってみてはと提案されたのがきっかけで、運営を始めたのだという。
バーベキュースペース

 

広々とした一階宿泊スペース
窓から美杉の風景が楽しめる、二階の洋室

 

共有スペース

 

名前の由来、聞いてみた。

私が気になっていたのは名前の由来だった。CENTURIO®︎ POWER LANDとは一体どうゆう意味なのか、ドキドキしながら尋ねてみた。「ケンチュリオってゆうのは、リフォームの資材を提供してくれた会社の名前なんよ!」さらりと答える川瀬さん。

 

オーナーの川瀬景子さん。

パワーランドというのは、神秘の泉が湧き出る芝生の場所でストレッチをすると筋肉が緩み、体の関節が柔らかくなるという不思議体験ができるのからだという。これまた、さらりと答えて頂いたのだが、かなり神秘的でおもしろそうなゲストハウス!

 

神秘の泉といわれる湧き水

パワースポットや神秘の〇〇、みたいなのが大好きな私。芝生に寝転んでごろんごろんしたい欲望が沸々と湧いてきたのだが、恥じらっている間にタイミングを逃してしまった。次に訪れる時の楽しみにとっておくことにした。

 

ふっくらつやつやの幸福感。

ゲストハウスでは、一日一組限定、羽釜でご飯を炊く体験ができる。宿の目の前に広がる田んぼで収穫したお米は、山間部特有の寒暖差と、澄んだ空気や水により美味しく育つ。
ご飯を炊く前に、まずは薪割りから。パカンと綺麗に割れると気持ちが良く、これはストレス発散になりそう。割った薪をかまどに焚べていく。

 

薪割り体験中!

 

「羽釜に氷を入れるのがミソでね。火を見ながら、始めちょろちょろ中ぱっぱで炊いていくんです。弱火にしてからは蓋とったらあかんのやで。赤子泣いても蓋とるなって言うでしょ!笑」ワンちゃんを抱えながら、火の調節をする川瀬さん。すごく手慣れていてかっこいい。

そしていよいよ、羽釜の蓋、オープン!湯気の向こうには、ふっくらつやつやに光るご飯!おかずが無くてもペロリといけるほど絶品だった。

炊きたての羽釜ごはん

ゲストハウスの客層は学生グループや家族連れが多く、大阪や名古屋、時には東京からも泊まりにくるのだという。雪の降る日でも、夜中までバーベキュースペースで語らう客もいる。「12時くらいまでバーベキューしてはったよ。消化用のバケツ氷が張るまで、おしゃべりしとったなあ」と川瀬さん。
それもきっと、この地に来た良い思い出の一つになるのだろう。星降る美杉の夜。神秘の泉が湧き出る芝生に寝転んで、美杉を象徴する満天の星空に、一度は吸い込まれてみたい。

 

自然の中で逞しく生き抜く力。

ゲストハウスの前には、手入れが行き届いた畑が広がる。ここで様々な野菜を収穫する農業体験ができるのだという。
農業体験ができる畑

そして、貸し出し無料の自炊スペースで、収穫した野菜を調理して食べることができるというのもかなり魅力的だ。キャベツ、ほうれん草、椎茸に茄子などなど…

なすは収穫したら種をとり、発芽させて育てている川瀬さん。市販の種や苗が無くとも、発芽させることができるだなんて。このご時世、有事により食糧難になることだって十分にあり得る。食物を育てる知恵さえあれば、どんな時でも逞しく生きていける気がする。私のように、子供と一緒に農業体験をしたいと考える親も増えているのではないだろうか。

川瀬さんは現在、赤目自然農塾に通い、自然農を学んでいる。来年からは本格的に田植えに挑戦するのだという。「ぜひ稲の収穫にきてな!」そう言って屈託のない笑顔を見せる川瀬さんこそが、CENTURIO®︎ POWER LANDのパワーの源なのだと思う。

田植えをスタートする田んぼをバックに。

 

おまけ

週末の三杉で、ガソリンを空っぽにしてしまった。
スタンドが空いているだろうと軽く考えていたのが間違いだった。田舎あるあるで、週末はお休みのスタンドがほとんど。「実は私、ガソリンがアレで、家にたどり着けないかもしれません…」食事を頂いていた三国屋さんで呟くと、太郎生地区の水谷商店さんに連絡を入れてくださり、「行く前にここへ電話したら開けてくれるよ、大丈夫!」と電話番号を書いたメモも持たせてくれたのだった。
美杉の夜は暗く静まり返っていて、もし車が止まってしまったらと思うと、とても心細かった。その中で見つけた、水谷商店さんの灯り!美杉の暖かさ!給油後、平謝りする私に、「ここは時間がゆっくり流れとって、ええ人ばっかり。また遊びに来てね」と水谷さん。本当にええ人ばかりで救われました。

後日お礼に伺いました、また来ます!

水谷商店さんにたどり着くまでは、オロオロしていて気づかなかった花あかり。春の美杉は梅や桜、ミツマタなどが咲き誇り、まるで夜道を照らしているかのよう。

「美杉にめっちゃいいとこあったよ、帰ったら教えてあげる」家族に帰宅の電話を入れたら、さっきまでの心細さは消えていていた。次はいつ美杉に来ようか、気付けば頭の中で週末の予定を確認しながら車を走らせていた。だって私はもう、美杉が大好きな美杉ラバーなのだから。

 

 

CENTURIO®︎ POWER LAND

https://misugi.org/list/centurio-power-land/

インスタグラム Instagram

#inaka_tourism

上に戻る