旅人の記憶を辿る。様々な発見を楽しみにゆったり散歩「多気宿」

2022.6.16

大下 航平

大下 航平

皆さん散歩は好きですか?
僕は歩きながらそこに住む人の営みを感じたり、かつてその地に住んでいた人や、賑わった記憶や歴史を感じながら歩くのが好き。

大阪と伊勢神宮を最短距離で結ぶ重要な道で、かつては険しい山道に関わらず多くの参宮の旅人に利用された「伊勢本街道」。
そんな伊勢本街道の1つでもある津市美杉町にある多気宿を散歩した。


津市美杉町の多気は昔、伊勢国司の北畠氏が館を構え、美杉にある3つの宿場町の1つとして栄えた。


伊勢本街道の中でも一番の難所と言われている飼坂峠。四方が山に囲まれていることから天然の要塞として重要な役割を果たしたと同時に、当時は山賊がよく出て、非常に危険な場所だった。


飼坂峠から一本道の脇にある家。ここは坂道で続いている全て繋がっている非常に長い家。なぜこんなにも長く家が作られたのか、しかもこんな坂道のカーブになっている場所に、気になる。この辺りは武家屋敷で、立派な家が多いからなのか。それにしても長い。


ん?何かに見られているような。


横でも後ろでもない、上を見上げると。
屋敷の鬼瓦が七福神になっている。上から神様に見守られている、ありがたい。
しかし、夜になると少し怖そうだ。

峠を越えた後の休憩場所なのか、屋根の下に石のベンチがある。

山から流れる川のせせらぎを聞きながら、さらに先へと進む。


家の壁一枚一枚が木の板で造られている。これは「鎧戸」と呼ばれ、中の土壁が老化しないようにと、当時は木造建築が多いため火事が多かったそう。そのためもし火が移った時に木の板を一気にはがせるようにこういう造りになっている。


先に進むとかつては宿場町で栄えた場所に降りてきた。

旅籠で立派な造りの家が立ち並んでいる。
今では空き家になっているところも多いそう。
昔のような活気のある宿場町も見て見たいですね。


常夜灯が見えてきた。夜中に唯一灯る明かりは、夜通し歩いてきた旅人の休息の地であり宿場町を照らすシンボルだったのだろうか。


最後に見つけたのが、自然の湧き水のうぐいすの水。
実際に飲むこともでき、うぐいすのように声が良くなるそう。

この水をのみ旅人は疲れを癒したのだろうか。
僕はうぐいすの水で今回の散歩の疲れをとりました。

今は車での移動がほとんどになり、車の中から見る何気なく通り過ぎてしまう風景や人の営みなどがたくさんあると思う。
気になるとこに寄り道しながら歩くとたくさんの面白い発見がある。

皆さんも時間のある時に、ゆっくり散歩してみてはいかがでしょうか。

 

伊勢本街道多気宿

https://misugi.org/list/isehonkaidou-tagejuku/

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